Nobue Kanekawa’s page
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節電しながら、そのカフェは、いつものようにそこで営業していてくれました。
先週、ちょっとドキドキしながら、谷中ボッサに伺った時の写真です。この辺りは、古い建物が多く残り、どこか懐かしさを感じさせてくれる街です。谷中ボッサがあるのも、そんな古民家の一つです。3月11日の大きな地震の後、、、良かった、いつも通り。いえ、いつもより賑わっているくらい。さすがは、震災(関東大震災)も、戦災も乗り越えて、100年そこにある建物です。でもやっぱり恐かったよね。2階のプライベート部分では、本が落ちたりしたそうです。でも1階の店舗部分の被害は無かったそう。節電のために、明かりを最小限にして、日没までの営業ですが、食材が手に入るかぎり、いつも通り続けていますよと、マスターは答えてくれました。ちょっと高台になっている、通称「上野の山」は、地盤が強いそうです。そして、その地形の為に、震災、戦災で起こった、浅草方面からの火の手も及ばずにすみました。ボッサがあるのは、谷中の端っこ、上野桜木に隣接する、お山のてっぺんです。周りの古民家も平気そうです。もしかしたら、今とは違う、昔ながらの職人技が施された、丈夫な建築なのかもしれません。そして、手を入れながら今も生きている。
まだ、そこまで長い経験のない私達世代は、地震の後、近所のカフェに出かける人も多かったようです。一人で家にいるのが不安だったり、節電にもなるし、寂しくないしという理由で。災害で、心も体も緊張していました。思いやりの気持ちを持ち続ける為に必要な、ほんの少しの心のゆとりが、例えばカフェで生まれているのかもしれません。
明かりを消しているのも、古民家ではいい風情です。大きな窓から、程良く陽が入っています。珈琲と丁寧に作られたケーキを、なんだか贅沢をしているような気分で口にしながら、日常のありがたさを、じんわりと味わっていました。
この日は、カフェを特集する雑誌のライターさんとカメラマンさんが来ていました。(さすがですね。頑張れボッサ!)掲載する写真を撮影するために、一瞬だけ普段の明かりに。プロの仕事を見学していた私も、便乗して1枚撮影。
本当の日常までは、しばらくの辛抱です。
元通りの日常?
もしかしたら、新しい何かかもしれません。
昨年に続いて、また、カフェで気ままなコンサートを開催させて頂く予定です。6月4日土曜日。当初は、今頃、予約を開始するつもりでいました。無理をしないのもこの街流。今月半ば過ぎに、もう一度相談して、開催、予約開始の結論を出すことにしました。少し早め、夕方からのコンサートです。きっと日も長くなり、寒くもなく、まだそんなに暑くもない頃です。電力のいる機材はもともと使いません。節電しながら、きっと開催出来るよねと、本当は私もマスターも思っています。
2011年4月3日日曜日
いつものように