Nobue Kanekawa’s page
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秋に銀杏の写真を撮ったすぐ側、国立西洋美術館の中から東京文化会館方向を撮った写真です。先週金曜日に主人とモネを見に行った帰り際。よく見ると、手前のガラスにカメラを構えた私の姿も映り込んでいます。
向こうに見える東京文化会館は、ル・コルビュジエの弟子でもある、前川國男の設計だそうです。小ホール通路の真っ赤な壁や、大ホール・ロビーの星空のような配置の明かりが見えています。コンサートの演目に気を取られて、よく見ずに通り過ぎてしまいがちですが、独特の魅力ある建物です。
こちら側、国立西洋美術館は、師匠ル・コルビュジエの設計です。その特徴がよくわかるはずの本館常設展示室が、改修工事のために3月始めまで閉まっていたのは残念でした。春になったらまた来よう。。。新館常設展は見学できます。見ごたえのある展示です。ここでは、企画展以外の部分の、建物と常設展示作品の写真撮影が許されています(フラッシュと三脚不可)。美術を学び研究なさっている方にはありがたいのかもしれませんね。
さて、この日のメインは企画展「モネ、風景をみる眼」を見ることでした。本物の芸術絵画を眼にした際に、印刷や画像では伝わらない物がある事に気付きます。モネといえばまず青や緑がベースの《睡蓮》のイメージですが、この日実際に見て、私がより気に入ったのは、夕日のオレンジ色が印象的な《セーヌ河の日没、冬》と《サルーテ運河》でした。他に気になったのは、ピサロとマルタンの作品。主人は、白が多い画面の《ジヴェルニーの冬》と《雪のアルジャントゥイユ》が気に入ったようです。モネだけでなく同時代の印象派の画家達の作品が、時間の流れを追うように展示されていました。ある時期ある画家達が、印象派という流れの中で同じ方向を目指します。才能のある人というのは、その中で刺激や影響を受けながら、同じであることに安心して留まるのではなく、集まった時期があってこそ自分自身の本来の特徴に気付き、各々の探求すべき道を見定めて行くのかもしれません。個性を持った人達が、すっと集まり、そして全く別の世界観へと向かう様が垣間見えたようで、興味深い展覧会でした。
2014年1月21日火曜日
ホールと美術館