ワンポイントアドバイス

1999/8/26

呼吸の仕方

管楽器の吹くときの呼吸の仕方は?といわれてまず思い浮かぶのは「腹式呼吸」だと思います。

「腹式呼吸」は横隔膜を上下させることによって呼吸する方法です。

横隔膜が下がることによって内臓の居場所が無くなり、見た目、お腹が膨らむ状態になる呼吸です。

練習の仕方です。

 

椅子に座っても立っていても構いませんが、

全身の力を抜いてください。

(これからこの言葉は何度も出てきますが、とても大事なことですからしっかりと頭に入れておきましょう。)

お腹に手を当てて鼻からゆっくり息を吸います。この時に横隔膜が下がっていくことを感じてください。

(お腹が出てくるのを手で感じることが出来ると思います)

上手く出来ない時は仰向けになって寝て同じことをしてみましょう。

これ以上下がらないとなったら口からゆっくりと吐いてください。これを何度か繰り返してください。

これは言わば、横隔膜のストレッチ運動になりますので、しっかりと延ばせば、

それだけ息が多く入るようになります。

ここまでが、簡単ですが腹式呼吸の練習方法でした。

  

ここからが実は本題なのですが、

腹式呼吸は基本ですし、大切なことなのですが、この、「腹式呼吸」だけでは十分ではないのです。

横隔膜を上下させる「腹式呼吸」に、肋骨を広げる「胸式呼吸」もプラスしてみましょう。

片方だけでは「息」がたりなくなします。「腹式呼吸」をマスターしたら、この「胸式呼吸」もプラスすることを心がけてください。

肋骨を広げると自然と胸を張った状態になります。

気をつけなければいけないのが、背中を反り返らないようにしてください。

オペラ歌手がステージで歌っている時の姿勢です。

  

「腹式呼吸」のみの練習の後、胸式呼吸をプラスします。

  

上に書いたときと同じように腹式で息を吸います。

今は息の仕方の基本練習ですから、早くする必要はありません。

  

腹式で横隔膜がこれ以上、下がらなくなったら、

胸を広げて息を肺に入れてください。

この時気を付けなくてはいけないのが、お腹をへこまさない

(横隔膜を上に上げない)ようにしてください。これ以上胸が広がらなくなったら、

  

口から息を吐くのですが、まず、横隔膜を使った「腹式」で息を吐き、

その後で、胸をもとに戻す作業をしてください。

  

この2段階の呼吸練習をしっかりとやってください。

  

その後に今度は「腹」と「胸」に1度に早く息を入れる練習をしましょう。

この時、口から息を吸って構いません、鼻から吸ってください。

1度に素早く吸い、口をすぼめてゆっくりはいてください。

メトロノームを使って(52〜60ぐらい)1拍で吸い、7拍ではく練習などもやってみると良いと思います。

たくさんの息を使った音は響きのある音になります。「どうしたら良い音が出るようになるのか?」の基本の基本です。

しっかりと呼吸法をマスターして、豊かな音を表現してください。